水素を熱や力として使用するにはボンベに入れて運ばなくてはなりません。プロパンガスと同じです。現在、このボンベに代わるもっと効率のよいものとして水素貯蔵合金の研究が各所で進められています。
 水素貯蔵合金は温めたり冷やしたりすることにより水素を吸収したり放出したりする金属(合金)です。当センターではこの金属の基礎及び開発研究をしています。


1.速さへの挑戦

 水素を早く大量に吸収させたり早く放出させるためにはどうすればよいのですか?

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 速さは合金の種類・形態や環境によって変化します。どんな合金や環境が吸収・放出効率によいかを研究しています。



2.軽量化への挑戦

 ボンベに代わるためには小型で軽いことが望まれますが、水素貯蔵合金は軽いのですか?

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 重いものもあります。軽量化をめざして、
Mg、Tiなどを主成分とする水素貯蔵合金を研究しています。



3.高密度化への挑戦

 水素貯蔵合金に大量の水素を吸収させるにはどうすればよいのですか?

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 水素原子密度の高いことが望まれます。そこで合金の組成・構造を調べ水素が高密度に入る条件を研究しています。



4.耐久性への挑戦

 水素貯蔵合金は何百回でも水素を吸収したり放出したりすることができますか?

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 原則的にはできますが、水素貯蔵合金は純度の低い水素を貯蔵したとき、不純物を吸収したところの組織は死んでしまいます。そのため、合金の性質や表面状態を改善して不純物に強いものを作るための研究をしています。