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富山大学発 放射線に関する情報発信 シンポジウム開催

 2013年3月6日(水)、富山大学五福キャンパス 黒田講堂ホールにおいて、富山大学発 放射線に関する情報発信 シンポジウム「震災から2年を迎えて-大学の果たすべき役割-」が開催されました。 県内各地より聴講者が訪れ、一般市民の方々、大学教職員、学生を合わせ、200名近い参加者となりました。  
 最初に、遠藤俊郎学長より、開会の挨拶と大学の震災対応状況の報告があり、続いて、福島県立医科大学 菊地臣一理事長兼学長、ならびに核融合科学研究所 金子修副所長より、それぞれ、 「東日本大震災から得た組織の危機管理-原発事故への対応をとおして-」及び「未来を拓くエネルギー」と題した基調講演がありました。  
 菊地理事長兼学長は、震災直後の危機的な状況の中での、病院と行政の連携した救援活動の様子を紹介するとともに、第一線で救援にあたった自衛隊や消防隊員の方々の多くが 心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされていることを伝え、「支援する側への支援体制の整備が必要」と訴えました。
 金子副所長からは、福島原発の事故を受けて、今後の日本のエネルギー供給についての考察があり、その中で、水素を燃料とする核融合研究の進捗状況について報告がありました。  
 その後、弘前大学被ばく医療総合研究所 床次眞司教授による「東京電力福島原発事故後の環境放射線計測と線量評価」、福島大学共生システム理工学類環境システムマネジメント専攻 難波謙二教授による「東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の分布と挙動」、東京大学大学院農学生命科学研究科(食の安全研究センター兼任)関崎勉教授ならびに細野ひろみ准教授による「消費者は放射性物質による食品汚染をどうとらえたか-リスクコミュニケーションへの課題-」の各講演がありました。それぞれの講師の方々が、詳細なデータを基に、各専門分野についてのお話をして下さいました。  
 参加者の方より、「事故直後からの現場の混乱などがよく分かった」「いざ大災害に遭遇したら、と考えさせられた」「普段、聞けない分野の話が聞けて良かった」「正確なデータによる評価が重要であることが分かった」等、アンケートにたくさんの感想をお寄せ頂きました。  
 また、1階会議室では、富山大学東日本大震災支援隊活動のポスター報告、放射線測定機器の展示と実演、専門家による質問コーナーを設け、こちらも多くの方にお立ち寄り頂きました。  2月5日(火)に開催した特別講演会と同様、たくさんの方にご来場を頂き、どうもありがとうございました。また、ご協力を賜りました各方面の方々に、心より感謝申し上げます。
  
富山大学 遠藤学長よりご挨拶
福島県立医科大学 菊地臣一理事長兼学長

核融合科学研究所 金子修副所長
弘前大学被ばく医療総合研究所 床次眞司教授

福島大学共生システム理工学類
環境システムマネジメント専攻
難波謙二教授
東京大学大学院農学生命科学研究科
(食の安全研究センター兼任)
関崎勉教授

東京大学大学院農学生命科学研究科
(食の安全研究センター兼任)
細野ひろみ准教授
(株)千代田テクノルによる放射線測定機器の展示

日立アロカメディカル(株)による
放射線測定機器の展示
キャンベラジャパン(株)による
放射線測定機器の展示

放射線測定体験コーナー
霧箱による放射線の飛跡の観測

会場の様子
会場の様子